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注意力の限界とマインドフルコーチングの可能性

2016年06月24日

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人間が質の高い意思決定をするための元になる注意力は、複雑性の高いテーマに対処するのが苦手です。遠い私たちの祖先がサバイバルするには、敵の脅威や獲物捕獲のチャンスに対して、即座に反応する必要があったからです。

マインドフルネスを通して注意力を鍛える目的は、目の前で起きていることや目の前にいる相手へのセンサーを磨くことだけではありません。

目の前で起きて“いないこと”、いったいなにが起きているのかもわからないような混とん、将来に起きるかもしれないこと、さらに言えば、それらを取り巻くさまざまな要素が絡まりあっている(よくわかんない)状況・・・などにも、ことごとく注意力を立てていく姿勢を磨いていきます。

しかし前述したように、脳の初期設定が邪魔をします。人間は因果関係に長い時間差が生じる課題を理解すること、そのために欠かせないシステム思考が苦手なのです。

それを乗り越えるために脳をアップデートしよう、というのは理想主義的に大事なことだと思います。とはいえ簡単ではありません。

そこで、日常生活のなかで自分の注意がどんな方向に向けているかを考える習慣、意図的に注意の向け方を切り換えてみる習慣が大事になってきます。

ところが、これをすることもまた容易ではありません。

この記事を書いている今この瞬間、イギリスでEU残留、離脱の是非を問う国民投票の最中ですが、株式市場が激しく乱高下しています。翻弄されている多くの個人投資家は、まさに目の前の出来事に注意力を掻き立てているか、それさえも分散してとっちらかっているか、どちらかでしょうね。

世界が混とんの海に本格的に向かおうとしているように見える今、私たちは苦手な複雑性への注意力に挑まなければなりません。

ここで大きな助けになってくれるのは、他者のフィルターだと思います。注意力に苦戦するのは同じでも、みなそれぞれ異なる視点をもっています。それらを活かしながら良質な対話の場を築いていくと、どこかで違う見方が現れてきます。時間軸の取り方が変わってきます。

それはマインドフルコーチングに秘められた可能性のひとつでもあります。専門家がクライアントを支援する関係性ではなく、相互補完的な関係性がひとつの叡智になっていく。

オレは自分一人じゃ生きていけねえ自信がある。ワンピースの主人公ルフィの言葉が、いよいよ風雲急を告げるVUCA WORLDにこだましているかのような今。

 

(てんせい)

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