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世界のマインドフルネスをけん引するチャディ・メン・タンの「オンデマンドで手に入る喜び」

2016年10月30日

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久々の英文記事翻訳は、人気の雑誌その名もMindfulのサイトより、チャディ・メン・タンの2016年5月26日の記事です。

世界的ベストセラーSearch Inside Yourself(SIY)から4年。
MiLIのメンターでもあり、私の友人でもあるメンさんの最新書籍、Joy オンデマンドがついに日本でも出版となります。

SIYに引き続き、絶賛監訳中で11月25日販売予定です――アマゾンでも予約開始中!

IQ156の「メンタル弱い系」天才プログラマーだったメンさんが、いかにGoogleの「陽気な善人」と呼ばれるマインドフルネスのリーダーとなったか。
その道のりがユーモアたっぷりに紹介されている本です。

メンさんと君子、淳也

お楽しみに!

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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JOYオンデマンド

自分の中にある幸福を見つける技術  By Chade-Meng Tan | May 26, 2016

実生活において、瞑想ほど幸福に導いてくれるものはないと思う。私自身がその極端な例だから実感を持ってそう言い切れる。私の幸福に対するかつてのベースラインは「みじめ」。何事もないときはみじめに感じているということだ。もし良いことが起きればしばらくの間はより幸せな気持ちになるが、またそのうちみじめな気持ちに戻る。それは、私がこれまで成長する過程で起きたうまくいったこと、人に認められたこと、またはその他の世俗的な成功にも関わらず、私は幸せではなかったということだ。しかし、私が心のトレーニングを始めてから数年経ったとき、私のベースラインは「上機嫌」にシフトした。つまり何事もないときは、私は上機嫌。辛いことを経験すれば、辛さは感じるが、そのうちまた上機嫌の状態に戻るようになった。

自分でも“びっくり!“

少し前まで幸せのベースラインは変わらないものだと考えられていたが、私はたった数年の実践で高いネガティブから高いポジティブの状態に変えることができた生きた証人だ。トレーニングで本当にそんなことができるのだ。

私の作った サーチ・インサイド・ユアセルフ のクラスでは、例えば大方の参加者は、クラス参加前に瞑想をしたことがほとんどないのだが、数日から数週間の瞑想を実践した後、彼らのうち多くの人が幸福感が増したと報告している。2003年のある調査でも似たような結果が示されている。たった8週間のマインドフルネストレーニングは、幸福を感じる脳の部位に大きな変化を起こすのに十分な期間だということだ。

最近気が付いたのだが、ここのところユーモアのセンスを失う時間がほとんどなくなってきている。デスモンド・ツツ大主教は、「もしあなたが変化の牽引者になりたいのなら、ユーモアのセンスを忘れちゃならない」と語っているが、私は同意見だ。喜びはとてつもなくパワフルなリソースである。

肉体的感覚やエゴの気持ちよさとは別の喜び=JOY
いつも皮膚がかゆい状態の男がいた。彼はいつもかゆいところをボリボリ掻いて、それが気持ち良かった。それがある日、有能な医師が皮膚を治療したおかげで、彼はもう皮膚をかかなくてもよくなった。それにより彼は今まで皮膚を掻くことが気持ち良かったのだとあらためて気づいたのだが、それよりもさらに気持ちいいのは、痒みをとめるために搔かなくててもいいということだと気づいた。

私たちには、心を痒くする二つのタイプの楽しみがある。ひとつは肉体的感覚からくる楽しみ、もうひとつはエゴを満たす楽しみ。例えば美味しいものを食べたときなど私たちの五感が気持ち良く刺激されるときと、もしくは何かしたことに対して褒められたときなど、エゴが気持ち良く刺激される時に喜びを感じるものだ。もし我々が、肉体的感覚やエゴ的気持ちよさがなくてもJOY(喜び)を感じることができれば、尚いいだろう。例えば、チョコレートを食べれば喜びを感じるが、チョコレートを食べていなくても同じ場所でただ座っているだけでJOYを感じることができる。これができるようになるには、刺激がない状態でもJOYにアクセスできるように心のトレーニングを積むことだ。これもあなたの幸せの基本ポジションを上げる秘訣である。

心を「刺激なしで得られる喜び」にアクセスするようにトレーニングするには、まず最初に肉体で感じるひとつの刺激が果たしてどのように喜びに結びつくかを理解したうえで、そのスキルを鍛えるという段取りを知る必要がある。それらは、心を楽に慣れさせること、傾けること、高めることの3つである。

1.楽にJOYに慣れていく

オンデマンドな喜びのための第一のスキルは、心を「楽に」することだ。心が楽なとき、JOYによりアクセスしやすくなるので、実践の一部として、楽にJOYへアクセスする方法を学ぶ。そしてその喜びが、さらに楽な状態を作り出すという好循環を生む。私はこれを「楽にJOYに慣らしていく」と呼んでいて、休みながら楽しむことで、それはエゴの出番がなく、肉体的な快感も必要としないものだ。この内なる喜びを鍛えると、感覚やエゴを満たす刺激に頼りすぎることから私たちを解放してくれる。それができれば、ますますどこでもJOYが感じられるようになるというとこだ。

2.心をJOYに傾けていく

次に、既にあるJOYに気づき、それにフルに注意を傾けることだ。喜びに気づくためにどこを見るべきかを学び、そして今まで気がつかなかったような、身のまわりに既に存在する喜びに感謝するのだ。穏やかな呼吸の中や、日々の生活のいたるところにJOYはあるものだ。それをただ、受け入れていく。喜びを招き入れ気づいていくことは、毎日の生活習慣であり同時に瞑想の実践の一部だ。そしてだんだんと喜びが、関係性が近く頼れる家族の一員のように身近な存在になっていく。心がJOYに慣れれば慣れるほど、それを認識しやすくなり、心はさらにJOYに傾き、それを得るのに大した努力も要らなくなる。

3.心を高める

そして最後が、「健全な喜び(=JOY)で心を高める」方法だ。特に生来備えている徳、寛大さ、慈悲、思いやりから起こってくる喜びだ。それらの喜びからくるものは、有益な食べ物が身体の健康に与える良い影響と同様、心の健康にも役立ってくれる。また、それらの喜びには後悔や妬みといった感情と闘う必要がないために、心をより安定的で落ち着いた状態にし、安定して落ち着いた心は健全な喜びへと伝わっていく。やがてそれらはまた、より健全な喜びにつながっていき、好循環を作り出す。心を楽にする、喜びに近づけていく、高めるトレーニングを積めば、ごく日常的な状況(例えば、収入がなくなったとか、愛する人を失ったというような大きな困難を除き)、オンデマンドでJOYにアクセスできる能力を向上させられる。

グーグル社のディレクター、ジョナサン・ベレントは、これらのスキルを学んで人生に大きなインパクトが生まれた一人だ。彼は「意識的な呼吸をすると、喜びにどんなときにもアクセスできることを見つけたんだ。あまりに便利だったから、実際に、1時間に一度はひと呼吸するよう、時計についているアラーム機能を使ってリマインドするようにした。2、3年前だったら、そんなこと無意味だと思っただろう。オンデマンドで喜びを?冗談だろ?と笑い飛ばしただろうね。だけど、まさに今の僕にはこれは現実で、実際にどんな瞬間でもそれが可能だってわかっている」

私の知り合いで、この本に書いてある簡単な実践を少しの間試しただけで、変化があらわれたという人がいる。ジャニーは何年もよく眠れなかったのだが、で、その夜は何年も味わっていなかったほどの良い眠りを得ることができた。いまや彼女はこの実践を毎日行い、以降ずっとよく眠れているそうだ。しかし、それだけじゃない。心を高める、心をJOYに傾け、心を楽に慣れさせるのと同じツールを使って、強さや困難や感情的な痛みへの対処に必要なスキルを与えてくれる。たった1回の呼吸や数時間のトレーニングや、この本を読み終わる頃には、あなたの人生がすべて喜びに満ちているとお約束はできないが、この3つ <心を楽にする、喜びに傾ける、高める>を実践すれば、痛みは治まり、ニュートラルなものは喜びになり、既に喜びだったものは、さらにJOYに変わっていくことについてはお約束できる。(ここが、あなたが“すごい!”というところ)

あなたが今、幸せでないのなら、もしくは今すでに幸せでより幸せになりたいのなら、あなたの幸せの基準値はアップグレードできるということを知っておいてほしい。私自身がそうであったし、私がグーグルの心のトレーニングプログラムで教えた多くの人をみてきたから、そう言える。それに、その効果を測定した科学的な調査の裏付けもある。もちろん、仏教の僧侶や、瞑想実践者にとっては何千年もやってきたことであるが、なにもヒマラヤ山脈の水を飲んだら効くといった秘密ではなく、あなたがどこにいてもできることなのである。

あなたはこう聞くかもしれない。もしこの信頼できて長く続くJOYが、そんなに簡単にアクセス可能なら、なぜもっと多くの人がそれを見つけられないんだろう?なぜそんなにわかりにくいんだろう?と。私が考える一番の課題は、感覚やエゴの刺激とは別物の喜びが存在する、という事実にほとんどの人が気づいていないことだ。もしそれを聞いたとしても、多くの人は手に入れられそうもないと思ってトライすらしない。われわれは、喜びが誰もが学べるものだということを知らないのだ。何割かの人は喜びを経験するには大金が必要だと信じているし、それ以外の人でも、すべての生活を捨てて森の中に住むでもしなければ、幸せは得られないと思っている。あなたは、喜びにアクセスするのに何年も瞑想しなければならないと思っているかもしれないが、たった1回の呼吸からでもその恩恵を感じられるのだ。もし喜びが何かを買ったり消費したり、薄っぺらな億万長者になったり、そのあと大統領に立候補したり、、、こういったことで満たされると考えたなら、JOYはなかなか手に入れることはできない。

現代社会において最新のテクノロジーを使えば、楽しいことには以前に比較してよりアクセスしやすく身近にいくらでもあるし、いつでもオンデマンドで呼び出せる。だから、喜びが不足しているとしても、それはエゴを満たす方法や感覚が不足しているからではない。しかしその種の喜びは、私たちのコントロールが及ばない外的要因に依存してしまうという、本質的な問題を抱えている。

それとは対照的に、自分の内側からくる喜び – 例えば、数回の呼吸によって生まれた平穏な気持ちや、周りの人にやさしくすることで感じる喜び(他人との関わりがあるが、依存的ではない)、寛容な心からくる喜び、正しいことを行うことからくる喜び –  こういったJOYは、我々の誰もが状況に左右されず持てるのだ。もし、ふとJOYを失ってしまったり、本当に悪いことがあって私たちを苦しめたしても、それでもいつでも元の状態に戻れるんだと知っているJOYもある。どれだけひどく、あるいは厳しい状況であっても、私たちはみな、自分たちで自由にできる果てしないリソースを持っているのだ。JOYは、それがどこにあって、どう探せるのかがわかっていれば、とらえにくいものでもないのだ。

これはチャディ・メン・タン氏の書籍「Joy on Demand」の抜粋で、HarperCollins Publishers内、HarperOneの許可を得て掲載しています。著作権は 2016.joyondemand.comに帰属します。

チャディ・メン・タン

チャディ・メン・タン(通称:メン)は、受賞歴のあるエンジニア、ソートリーダーで、また、国際的にベストセラーとなった「サーチ・インサイド・ユアセルフ」の著者であり、ノーベル賞候補となった組織 One Billion Acts of Peaceの共同運営者である。

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