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マインドフルネスとは

2015年度ダボス会議より: 「幸せとはバイオリンを学ぶことと同じスキル」と脳科学者が指摘

2015.01.30

RD at Davos

今年も行われたダボス会議(正式名World Economic Forum)、マインドフルネスについては2012年から紹介され人気を博しているのですが、今年はジョン・カバット・ジン博士が毎朝メディテーションのガイドを行い、「マインドフルネスとは?」という問いから、「リーダーならではの日々の実践」へと移行している様子が伺われます。

会議の様子も次々にビデオで紹介され、その中でも出色だったのが、このRichard Davidson博士のインタビュー、マインドフルネスの仕事や幸福における効果についてわかりやすく語ってくれています。
Davidson博士は世界的な脳科学者であり、ダライラマの依頼で瞑想の科学的調査を行っています。また弊社と連携させていただいているSIYLIの取締役でもあります。
下記日本語訳して、皆様にご紹介いたします。

2015年1月23日 ダボス会議より ハフィントンポストライブ より

(以下、司会をMC、リチャード・デビッドソン博士をRDと略しております)

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MC: ダボスのWorld Economic Forumより引き続きお届けしています。
こちらは私たちの間でも人気の、リチャード・デビッドソン博士。
ウィスコンシン大学の精神医学と心理学の教授であり、The center for the investigation of healthy mindの創設者でもあります。

役職が多いですね。でも全てに匹敵する方です。
昨年ここに来られた時、マインドフルネスとメディテーションが潮流に乗るだろう、と話してくれました。そこから広まっていくこともあれば、停滞することもある。ここ1年で何が起こりましたか?

RD: 加速がついてきていますね。今日ダボスで起こっていることは驚くべきことばかりです。
今朝もNational Institute of Mental Healthのディレクターとパネルディスカッションに参加しましたし、また今回でシリーズとして話されているのが人間の脳–マインドフルネスと脳についてです。

これは数年前では考えられなかったことでしょう。
National Institute of Mental Healthのディレクターが健康づくりと苦しみの緩和に関して、マインドフルネスの役割と重要性について語っていること自体、この潮流が継続的なものとなることを示唆しています。

MC:私たちが驚いたのは、多くのCEOがいるダボスで、何度もマインドフルネス、メディテーション、そしてそれらの収益への影響が語られていること。すごい勢いです。

RD:リーダーの立場にある人には、燃え尽きや離職による損失の重大さが分かり始めているのです。職場で健康を守るために、もっとできることはあると。
そしてそれは多くの見返りがあります。CEOにも関わりがある大きな課題は、まだ答えが出ておらず我々も非常に興味を持っていることですが、こういった実践を継続することで、医療費の減少がみられるかどうかです。医療のコストが減り、処方箋訳の使用が減る――この可能性があると私たちは考えます。もしそうなると、実際の収支が変わり、すべての組織がこれを取り入れたいと思うでしょう。

MC: 科学についてみてみると、あなたは科学者なわけですが(笑)、メディテーションをすることで、実際脳にどんな変化が起こるのですか?マインドフルテクニックを使うとどうなるか?

RD: 脳に変化が起こることは間違いありません。
しかも早いタイミングで。何千時間ではなく、わずか4、6,7時間の実践の後でも脳に変化が観察されます。
本当に素晴らしいんです。
我々が観察した変化は、脳のいくつかのネットワークで起こるのですが、1つは前頭葉の中心部。前頭葉は前頭に私たち全員が持っている大きな部位ですが、行動のガイド役、アクションの決定、集中のコントロール、1つにフォーカスしたら他のことに邪魔されないようにするなど制御します。
リサーチによると、アメリカの大人は目覚めている時間のうち47%は自分がやっていることから気が逸れた状態ですが、もっと脳をうまく使えるはずです。
たとえ5%の改善でも、自分の目前で起こっていることによりしっかりと取り組めるようになれば、職場や世界に及ぼす影響は多大です。

MC: 私があなたの業績でいつもすごいと思うのは、「幸福」とは習得できて、上達できるものであること。単に生まれつき幸せ、不幸せ、というのではないということですよね?

RD: そうです。私は幸福を訓練できるスキルとしてお伝えしています。
私たちは幸福がスキルであるという考え方は普通しませんが、脳について調査してきたことすべてが、バイオリンを習ったり、複雑なスポーツを習ったりするのと同じく、練習すれば上達するものである、と示しています。
最近は「ウェルビーイング(心身の健やかさ)」という言葉を使いますが、それは享楽的な幸せではなく、もっと持続的なもので人生の多くの領域に影響を及ぼすものです。
このウェルビーイングのほうが習得できるもの、と言っているのです。

MC: 「ハピネス」というといつもニコニコしていいムードにあるというイメージですが、「ウェルビーイング」とはフローの状態、集中して「今ここにいる」という感覚でしょうか。

RD: はい、悲しくてもウェルビーイングの状態は可能なのです。悲劇的な状況に直面したら、人間として当然悲しむわけですが、それでも安定したウェルビーイングを持つことは可能です。

MC: 子供の場合ですが、博士は「優しさの授業(Kindness Curriculum)」を実施されています。
思いやり・優しさは幸せにつながるのですか?ウェルビーイングとの関連は?

RD: 「優しさの授業」は就学前の4-5歳の子供が対象で、1週間前に公立学校の児童に対するインパクトについて科学的リサーチを出版したばかりです。
この12週間の授業では子供が人とシェアする傾向、これは将来ゴール達成するのと高い相関がある重要な能力である、すぐに何かしたいのを我慢できる能力、そして様々な領域での成績に影響があった、とデータが明確に示しています。
脳が特にインプットに対し反応しやすい子供の時期、この時の小さな変化は、成長の過程で様々な局面に波及するので、子供たちを良い方向に向けることが可能なのです。

MC: 12週間?短い期間のようですが、子供時代だからこそ大きな変化につながるのですね。
この12週間、何をするんですか?カリキュラムの内容は?

RD:具体的なトピックをいくつかカバーしていきますが、中心となるのはマインドフルネスと優しさのスキルです。
大人がステレオタイプでメディテーションと考えるのとは違って、子供は自然にアクティブで動き回るものですから、4-5歳の子供に座ってじっとしなさいというのは不適切です。

私たちがやるのはシンプルで、ベルを鳴らし、子供たちに「ベルの音をよーく聴いて、音が聞こえなくなったら手を挙げて」と言います。
ベルを鳴らすと、20人の子供たちがどれほど静寂となるか、それは驚きです。完全な静寂の後、子供たちが一斉に手を挙げる。
「落ち着く」ということが体感できるのです。

もう一つのシンプルなエクササイズは、床に寝てもらって小さな石をお腹に載せます。
そしてお腹が上がったり下がったりするのを観察する。マインドフルネスのシンプルな実践です。

「分かち合い」が必要となるような作業もしてもらいます。
そこで、協力すること、分かち合うことの価値を教える場を持ちます。

また「感謝」を教える機会も設けます。
エネルギーはほとんどかからないけど、感謝することで大きなインパクトを生むものです。

これらは私たちが常々やっている、単純なちょっとした実習なわけですが、この授業は1週間90分、30分を3回行われ、劇的な変化を観察しています。
特に低所得層の子供に大きな変化が見られます。

MC: 個人的な興味があるポイントで、博士がおっしゃったことに戻って、無料のセラピーを受けようかと(笑)。

先ほどやりたいことを我慢して待つのは、良い特質であるとおっしゃいましたね。私もいつもそうなんです。
妻からプレゼントをもらっても、しばらくは使わない。使うまでに時間がかかる。これは良いことなんでしょうか?

RD: わかりませんが、妻からプレゼントをもらった際私も同じで、「プレゼントをワインのように寝かせる」と言っていますが。

MC: あるいはワインのように空気に触れさせるとか。(笑)

RD: それは衝動をがまんするのと同じとは、疑わしいですが、一般的に今すぐやりたい気持ちをがまんできる、とくに子供にとってすぐ手に入る報酬の誘惑に負けず、代わりに長期的なより本人のためになる報酬を選ぶ、というのがカギとなる特質です。
リサーチによると、5歳で「今すぐしたいという衝動」をコントロールできるのは、大人になって反社会的な行動をしにくい、ドラッグの悪用をしているかいないか、他の条件を精密に除いた後でも、金銭的にも収入はどうか、などについて良好な将来につながることが分かっています。
ですから、子供の今すぐしたいという衝動の制御ができるよう訓練すれば、それはそのあと何十年もの波及効果があります。

MC: 目的に向かって自制心を持つ、たとえそれが遠くても。すぐに結果が出なくても。

RD: その通りです。それが勉強、すぐには手に入らない将来の目的などを可能にするうえで、どれほど大切か想像できるでしょう。

MC: このインタビューを続けたい衝動も制御してあと1年後、あるいは次回のダボス会議の前にもまたお会いできるのを楽しみにしています。また近々お話できますよう。

RD: ありがとうございました。

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マインドフルメディテーションによる脳への変化は、わずか4時間ほどで既に始まっている!!

5歳児への衝動の制御についてのリサーチ「マシュマロリサーチ」は、こちらのMiLIハフポブログ「貧困の困難を自制心で乗り越える―マインドフルスクールプロジェクト」にて詳しくをご覧いただけます。

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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2015年もMiLI(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート)では、最新・最善のマインドフルネスの学びと実践のサポートをいたします。

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