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リサーチ・脳科学

世界的神経科学者に質問:瞑想と脳の機能

2015.10.18

RD at Davos

  • マインドフルネスの訓練のための、デバイスや道具はあるか?
  • 瞑想中の「集中」と「オープン」って矛盾するのでは?
  • 子供のマインドとマインドフルネスの違いは?

などなど、興味深いトピックについて、世界的神経科学者で、SIYLIの理事のひとりでもある、神経科学者リチャード・デビッドソン博士らが答えている記事を見つけましたので、ぜひ日本語で皆様にご紹介したく、下記翻訳してみました。

まやかしやこじつけではなく、常にシビアに科学的な目で信頼性をもって瞑想を探求しようとしているデビッドソン博士の言論は、MiLIでもフォローしています。

2015年9月15日の記事「Ask An Expert: Investigating Healthy Mind」より。

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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あなたが質問をし、我々がそれに答える。

質問の一部を、センター創設者リチャード・デビッドソンとセンター大学院生で瞑想エキスパートでもあるコートランド・ダールに回答してもらった。

質問:個人用のEEG(脳電図)やほかのデバイスなどを使うことによって、マインドフルネスの訓練になるといったリサーチ結果はあるか?

リチャード・デビッドソン: 個人用のEEGやfMRI(機能的磁気共鳴画像診断装置)などの人間の脳を調べる装置は、マインドフルネス瞑想をはじめ様々な瞑想方法が、いかに行動学的に有用な形で脳を変えるか、というのを理解するうえで役立っている。調査が特に進んでいる分野が2つある。ひとつは注意力の制御で、人の行動と、注意力の制御に重要な脳のサーキットは、マインドフルネス瞑想やほかの種類の瞑想によって変化する、ということがわかってきている。二つ目は、感情の制御で、私たちの感情を制御する能力、特にネガティブな感情から回復する能力を高めることができることがわかってきた。

「個人向けEEGデバイス」について言うと、今のところそれを支持するような科学的な証拠はまだない。

質問:瞑想のために、ニューロフィードバックは有望とみられるか?

デビッドソン: ニューロフィードバックとは、脳の特定の状態と関連付けられるシグナルがライブでその本人に見られるというプロセスだ。そのシグナルは恣意的に増やすことができ、それは即ちその人が特定の脳内の活動パターンを増やすことができるということを意味する。このアプローチは、fMRIで行われている。現段階で、瞑想に加えて(fMRIなどによる)ニューロフィードバックの併用も良いとする科学者も何人かいると思う。私自身の考えは、まだ早すぎると思う。なぜなら、何が適切な脳のシグナルであるか、まだわかっていないからだ。適切なシグナルを十分理解できれば、ニューロフィードバックは、より役立つものとなるかもしれない。

質問:「注意を集中する」と「オープンにただある」瞑想(=オープンモニタリング)は、相いれない別々のものか?より一般的な聞き方をすると、どちらの瞑想が組み合わせができ、どちらができないか?

デビッドソン:注意力の集中と、オープンモニタリングは相互背反するものではない。1回の瞑想セッションで、注意力の集中とよりオープンな状態を交互に行ったり、その中間にあったりすることはよくある。例えば、呼吸に注意を向けることから初めて、それから意識のフィールドを思考や感情へ広げ、それからまた呼吸にもどす、というのもよい。流れるように行き来してもよいし、一方が上達すると、もう一方のスキルも上達すると私は考える。

どちらの瞑想が組み合わせられるかということについては、科学的見地からは、ほとんどまだわかっていないのが実際のところだ。

コートランド・ダール: 1回の瞑想セッションの中で、様々な瞑想法を含めることはとても役立つ。一般的なアプローチとしては、「思いやりを高める」というモチベ―ションを持って臨み、そこから始めるというもの。つまりオープンモニタリングや注意力の集中の瞑想をやる際にも、思いやりの概念から始め、「私を含め、すべての生きとし生けるものが幸福であるよう、今から瞑想をする」と自分に言って始める。

注意力の集中とオープンモニタリングに関しては、実践のタイミングによってどちらか一つにより注力してもよいが、両方とも非常に役立ち、それぞれ異なる恩恵をもたらす。注意力の集中は、意識を安定させるための実践で、健全な心身の状態をはぐくむ基礎として特に役立ち、また自問の実践としてもよい。オープンモニタリングも意識を安定させる助けとなり、特に日常生活で、思考や感情との関わり方を変容させるのにもまた役立つ。私たちの人生で何が起こっているかによって、様々な実践を学ぶことで、状況にあわせて異なった面を引き出すことができる。

質問: マインドフルネスの実践者の脳で、マインドフルネスが特定の脳の機能と関連付けられるならば、てんかんの患者は発作の最中マインドフルでいられるのか?また、幻視を起こしている統合失調症の人はどうか?

デビッドソン: それはわからない。興味深い質問だ。普通マインドフルではいられないと思われるような状態でも、実際にマインドフルでいられるということはあると思われる。一つの例としては、しばしば瞑想の妨げとなる眠気だ。(個人的な経験と、そのほかの情報から話しているが)確かに、科学的な文献で特定の種類のてんかん患者で、発作がひどくなる前に、発作に気づくという報告はある。それによって、発作がフルに起こってしまう前の微妙な変化を察知することができる。統合失調症の患者が幻視についてマインドフルでいられるかどうかということに関しては、もう少し複雑だ。それが正しいか正しくないかを示す、きちんとした証拠は今のところはないと思う。統合失調症のようにシリアスな精神病を持つ人は、安全のために、マインドフルネス瞑想に取り組む前に、メンタルヘルスのプロであり、かつ瞑想の実践を熟知した人のガイダンスの元行うべきだ。

質問: 扁桃体は年月を経るとどのように発達・変化するのか?

デビッドソン: 他の様々な脳の構造と同じく、扁桃体も発達的変化を遂げる。扁桃体の量も変化し、発達に伴い大きくなり思春期から思春期後期である程度ピークを迎え、その後下降が始まる。この扁桃体の量の増加が機能的にどう意味するかは、今のところ実はまだよくわかっていない。科学的なリサーチが活発に行われている分野でもある。

質問: 「マインドフル」なマインドとは子供や赤ちゃんのマインドに似ているといえるか?

ダール: いくつか確かな共通点はある。マインドフルネスは心の中がシンプルな感覚をもたらす。子供が森の中を歩くとき、そこにはオープンさと深い認識――経験に対する自然な好奇心――がある。子供は大人のような批判や解釈にとらわれない、そして経験に対するストーリーラインを創ることよりも、自分の世界そのものを経験することに関心を持っている。子供のマインドの単純さのように、この状態は自分のいる環境の美しさと微細さに自分自身をつなげてくれる可能性を持っている。

しかし、いくつかの異なる点もある。マインドフルネスを育む人にとって、認知している、思考・感情・意識そのものといった内的景観とよりしっかりとつながっている、という感覚がそこにはある。自分の周りで、あるいは自分の中で起こっていることに対して寄り添いオープンでいる感覚を、瞑想では育てていく。子供は環境に対して、フルに好奇心を持ち受容するかもしれないが、自分の心身の内なる動きについては必ずしもそうではない。この差は非常に重要で、実際、自分自身の思考や感情への高い認識力こそが、注意力を制御し、感情の引き金をひかれイラッとしたことに気づき、優しさやコンパッション(思いやり)といったポジティブな思考・感情・行動を育むからだ。

(以上)

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デビッドソン博士は、自ら40年以上の瞑想実践者で、ハーバード大学時代はそのことについては「学者生命にかかわるから、他の学者や教授には言わないほうがいいよ」と言われたこともあるそうです。

そんな時代を経て、今日の瞑想の科学的検証の第一人者として、ジョン・カバット・ジン博士とならんで大きな貢献を続けています。

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