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マインドフルな国家の可能性(Part2)―英国調書に対するジョン・カバット・ジン博士のコメント

2015.10.28

Kabat Zin
(2015年サンフランシスコWisdom2.0でカバット・ジン博士と)

「マインドフルネスは信仰の問答、思想、信念、テクニック、宗教、哲学、そのいずれでもない。それは言うなれば『あり方』だ。」

「マインドフルネスとは、注意、意識、道理を知ること、思いやることであり、言語の習得能力と類似の、普遍的な人間の能力である。」

Part1の英国議会での「Mindful Nation UK調書」の発表と提案をうけて、マインドフルネスを科学的に検証し信頼性を高めるという、大きな貢献をしたジョン・カバット・ジン博士が去る2015年10月20日にThe Guardian誌にメッセージを寄せました。

Part2では、彼のメッセージを日本語に訳し、本当に個人・組織・社会をよりよくするマインドフルネスとは、そして改めて、マインドフルネスとは何かについての考察を得たいと思います。

原文:Mindfulness has huge health potential – but McMincfulness ins no panacea (The Guardian Oct 20, 2015)

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「マインドフルネスは大きな健康利益の可能性があるが、安易な万能薬ではない」  ジョン・カバット・ジン

英国の画期的な全党派議員グループによる、マインドフルネスの効果に関する調書は全ての先進国の政府関係者への手本となる。しかし「あり方」は一朝一夕に改善できるものではない

マインドフルネスは、しっかりとした科学的リサーチの増加と、私たちの健康を脅かすチャレンジをよりよく理解し解決するための新たな実践法へのニーズから、速いスピードで世界的現象になりつつある。

今週、歴史的な英国の調書で、多岐にわたる政策にかかわる分野でのマインドフルネスの導入を提案することが発表される。Mindful Nation UKは、英国議会の全党派グループへ裏付けに基づいて提案され、英国とさらには世界への健康政策へ大きな期待が持たれている。

WHO(世界健康機構)は、2030年までに先進国においては精神の病と健康が病の中で最大の負担となると警告している。我々はこの問題に対処するための新しいアプローチと、予防対策としてのマインドフルネスの効果を精査するより多くのリサーチを早急に必要としている。すでにマインドフルネストレーニングがうつ病の再発リスクを3分の1減らすことが示されている。最近の209のリサーチからのメタ・リサーチによると、マインドフルベースの介入法は、不安症とうつの治療で「大きな、かつ医療的に重要な効果」を示し、重要なこととして、継続的フォローアップでもその効果が続いた。マインドフルネスがいかにポジティブな結果をもたらすかを深く理解し、同時にほかの症状でもいかに役立つかを知る必要性から、より高度のリサーチに投資する要請が起こっている。

マインドフルネスはしばしば誤解されている。そこで我々が何を推進しているのか明確にしたい。

端的に言って、マインドフルネスとは、注意、意識、道理を知ること、思いやることであり、言語の習得能力と類似の、普遍的な人間の能力である。内から外から両方で賢く、自分の経験と意図的な関係性を持つにあたっての、あり方である。そのためマインドフルネスを高めるのは、本質的に社会的な次元にも関わる。私たちがしばしば当たり前だと素通りしてしまう日々の経験の見方との、親しさ・親密さを深めることに関わる。

これらは、今この瞬間と、自分の身体、自分の思考や感情、そしてそれ以上に、私たちが個人、そして社会全体として持つ暗黙の限定の思い込みと、高度に条件づけられた心と行動の習慣を含む。

「それは、もともとある人間の能力で、思考とは異なるが思考の全き補完となるものである」

最もシステマチックで網羅的なマインドフルネスの表現・実行法は仏教の伝統から発しているものの、マインドフルネスは信仰の問答、思想、信念、テクニック、宗教、哲学、そのいずれでもない。それは言うなれば「あり方」だ。実践によってそれを賢明にかつ有効に高める方法は様々な方法がある。基本的に私たちがマインドフルネスについて語るとき、意識――純粋な意識――について語っている。それは、もともとある人間の能力で、思考とは異なるが思考の全き補完となるものである。

そして、それは思考とは「より大きな」ものである。なぜならどんな思考も意識の中でホールドすることができるものであり、それゆえに見つめ、知り、理解されうるものだからだ。そのため純粋な意識とは、人生をよりフルに賢明に生き、その結果より賢明で健全、そしてより思いやりに満ち、利他的な選択をするための、価値とさらなる自由を高める可能性を持つ。

過去40年、マインドフルネスは様々な形で医療、ヘルスケア、心理学などのメインストリームに入り込んできて、広く応用され、臨床リサーチや神経科学で幅広く研究され続けてきている。最近では、教育、ビジネス、法律関係、政府、軍のトレーニング(アメリカ合衆国において)、司法システム、などなどにも参入してきている。「Mindful Nation UK」の分析は、私たち全員が有しているにもかかわらず、ほとんど未開発のままであるマインドフルネスというリソースを引き出すことで、健康、教育、職場、そして司法の領域でのより大きなチャレンジやチャンスにも対処できる可能性を示している。

まだまだ多くのチャレンジが先に立ちはだかる。マインドフルネスを有効に教えるには、その微妙な点を本当に理解していることが要求される、という論評は正しい。それは決して一朝一夕にその場しのぎでできるものではない。マインドフルネスの源となった伝統や瞑想の実践の倫理的基盤を無視し、その深い変容の可能性から逸脱し、表面的な安易なマインドフルネスが席巻していると不安を示す人もいる。私の経験ではそれは決してよくあることではないが、特定の日和見的な考え方で、マインドフルネスが万能薬であることを期待する惑える消費者を、がっかりさせるのみのビジネスになってしまった、という声もある。

これに対処するため、広まる人気に足並みを合わせた質の高い証拠と基盤を創り、最善の方法を広め教師を育成し、最もマインドフルネスを必要とする人たちが適切なプログラムにアクセスできるようサポートするのに必要な資金が必要とされる。政府や公的機関は、エビデンスに基づく最高のコースが人々の手に届くようにし、教師養成トレーニングを開発するサポートを行い、質の高いリサーチのための標準を高め続けるという、重大な役割を持つ。

全党派マインドフルネスグループと、そのMindful Nation UK調査では、トップの科学者、実践者、サービス提供者、政策担当者らからエビデンスを聞き取り、厳密な、コスト効率の良い、マインドフルネスの可能性を発展させる提案をしている。そのため、英国は、他国で議員やエキスパートによって類似の調査プログラムを始動させるときに、その手本となるかもしれない。

Mindful Nation UK調書の、全党派の協力であるというユニークな起源と、そしてさらなるリサーチと履行に向けての、彼らの進歩的な提案が認められ、政府と政府機関によって実行されれれば、この英国の調書の反響と派生する影響は、この上なく意義があると私は信じて疑わない。そして、彼らは社会のその根源にある最も重大な問題のいくつかに、人間のマインドとハートのレベルから対処することになるであろう。

(以上、ジョン・カバット・ジン博士による記事を翻訳)

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マインドフルネスの効果の検証と、教授方法の開発が飛躍的に進むーー今回のMindful Nation UK調書とジョン・カバット・ジン博士のコメントは、その兆しを感じさせるものです。

日本でもこれから展開が楽しみであり、私たちMiLIでもその一助となるよう、有効な教授方法や最新の情報の提供を、今まで以上にしっかりと取り組んでいきたいと感じております。

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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