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ハウツー(マインドフルネス)

もしマインドフルネス実践中に不快になっているなら、それはうまくいっているということ(HBRより)

2016.01.28

HBR-if mindfulness makes you uncomfortable

マインドフルネス瞑想を始めてかなり長い間は、リラックスした状態や心地よさが経験できなければ「うまくできていないのではないか?」と自分を疑うことが多々ありました。

たしかに、瞑想中は役割や責任とは無関係に、今・ここを満喫するという自由さがあり、私の場合はどんなに集中できなくても、ひとときのこの自由にだんだんと魅了されていったような気がします。

そして、瞑想の影響は瞑想していないときのほうが気づくことが多いーーこれは皆様それぞれに発見していただければと心から願っています。

今回のブログも「これでいいんだろうか?できているんだろうか?」という多くの実践者の疑問にお答えするハーバードビジネスレビュー記事を日本語訳してお届けいたします。(原文はこちら

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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by Amy Jen Su    December 29, 2015

クライアントのひとり、クレアから最近こんな話を聞いた。彼女は、勤める会社が奨励するマインドフルネスのもたらす利益についての謳い文句につられて、瞑想アプリを試してみそうだ。しかし、それは彼女をよりリラックスさせるどころか、このところ少し苛立ちやすくなり、不満に感じていた。 この状況は、クレアにとって明らかに驚きではあったが、それは、必ずしも瞑想アプリがうまくいかなかった、ということではない。

いまやメインストリームに躍り出たマインドフルネスだが、その定義は様々な解釈がなされている。一瞬一瞬の意識、「今ここ」にあること、リラックスして今起こっていることに完全に身をまかせること。いずれも、マインドフルネスを喜び、リラックス、幸福といった「良い感情」とみなしているわけである。

マインドフルネスは、確かに我々の人生の良い部分を十分に味わせてくれるのに役立つものではあるものの、それではマインドフルネスの半分しか語っていないことになる。実際には、真のマインドフル、真の気づきとは、怒り、悲しみ、嫉妬、心配、傷つきやすさ、孤独といったことについても同様に理解し、言語化でき、十分経験できるようになることを指している。

だから、マインドフルネスを単なる「よい気分になること」という定義を改め、 –良いこと、悪いこと、そして醜いことーといった人間であるがゆえの、あらゆる側面と向き合う能力を高めることであり、そしてそれらに“反応的”にならないことを学び、毎日、より良い選択をできるようになること、と再定義する必要があるだろう。

私は、クレアにマインドフルネスと、リーダーシップの選択を理解するより良い方法について、ある2つのリーダーの物語を話した。

ひとつめはランディという、リーダーとして自らを高めようと努力している男性の話だ。昨年彼は、年間を通して優秀な人材を採用し、彼らが仕事のスピードについていけるようようサポートした。そして今は、もっと戦略的なことに時間が割けるようして、自分自身とチームがより会社で認められるようにしたいわけだが、ほとんど進展がないこともわかっている。時々、「自分自身をどうしようもできない」という気持ちになるという。すると、チームに権限移譲したりエンパワーするかわりに、細かいことをつつきはじめたりしてしまうそうだ。

もう1人は、忍耐強さを身につけようとしているナタリーという女性の話だ。彼女は昨年、『まったく自分の意見を譲らないやり方が、周囲の人の神経を逆なでしている』とのフィードバックを受け取った。そのフィードバックのトーンは、目に見える変化がなければ彼女のキャリアが成功の道から外れるかもしれないということを暗示していた。時々彼女は、『自分でどうしようもない』と感じ、ネガティブなトーンやボディランゲージであたりちらしてしまうことがるという。

ランディ、ナタリー両者にとって、マインドフルネスを鍛えていくことは、現れている自分のパターンを理解し、それによって以前より反応的ではなくなり、より明確なリーダーシップの選択ができるようになることを意味している。二人は次のようなステップを踏んだ。

  1. パターンを“観察”し、追跡する。一定の期間、ランディとナタリーは自分たちの実際の行動を、批判・判断しない目撃者のようにそのまま観察するようにした。そしてその観察の結果をより具体的な言葉で記録した。
  • “どうしようもない”と感じるときのきっかけは?
  • どんな体の感覚をともなったか?
  • どんな“心の中でのおしゃべり”があったか?
  • どんな「根底にある」感情を感じたか?
  • どんな行動をとったか?

 

ランディの場合、自分のコンフォートゾーン(安全領域)の中で行動しなかったときに、みぞおちの辺りがむかむかするのに気が付き始めた。それにともなって彼は、 “ランディ、eメールをやっつけるか、こまごましたことをやった方が、すっきりするんじゃない?”という自分の心の声がまさに誘惑するのに気が付いた。ランディは、それらの根底にあるのはすべて、隠れている傷つきやすさと、彼が得意とすることを手放すことへの恐れであることを発見した。

ナタリーの場合、チームの中でパフォーマンスが悪い人がいたときに、彼女は、顎が緊張し血圧が急激に上がることに気が付いた。心の声は手厳しい批判家で“この人、なんて無能なの! よくもまあ、自分がどう思われるかも気にしないでいられるわね” と言っていた。ナタリーはそれから、『自分は人前で恥をかくのがどれほど嫌いかということに気が付きました。これは私にとってなぜ自分が特定の状況においてそんな反応するかを理解する大きなターニングポイントとなりました』と語ってくれた。

  1. 気づき、名前をつけ、立ち止まる。ランディやナタリーが、自分の体の感覚、心の声、感情に気づいてその感覚に名前をつけることができるようになったことで、彼らは『一時停止』のボタンを以前よりも頻繁に押せるようになった。パラヴィス社で私の共同経営者であるパム・クラリツは、これらのステップに“マインドフルネスを鍛えることで、かゆいところをすぐにかかなくてもよくなる”と表現している。また、私のクライアントの一人は、“不快な感情にいち早く気づいて認識し、前頭葉が機能するように(意訳すると「それを前頭葉に戻して処理するために」ということですが、もとのままでシンプルでいいと思います)深呼吸をすること”と表現している。書籍”Search Inside Yourself”の著者、Chade-Meng Tan氏は、“聖なる小休止”と呼んでいる。

この“聖なる小休止”を体験すると、われわれは単に気を紛らわすことに逃げることを減らし(例えば、細々としたことや、Eメール、午後のお菓子)、また、人を攻撃する、逃げる、あるいは不快な気持ちになることを受け入れるといった悪しき行動をせざるをえない気持ちを減らすことができる。

これが、マインドフルネスの実践をより定期的にする十分な理由だ。深呼吸だろうが、座る瞑想だろうが、あるいは単に一日を通してマインドフルに過ごすことだろうが、われわれは体の感覚をつかみ、心の声や自分の感情に気づき、それらに反応的にならないという能力を実際に鍛えていることになる。この能力を強化するには、インフォーマル、フォーマル、様々なやり方がある。

 

自分で気軽にできる方法:

  • ミーティングの合間に、深呼吸を1回する
  • 体の状態をチェックする
  • 1日に1回、一つの行動をマインドフルにすると決める
  • 2分間の瞑想をする

 

よりフォーマルに試す方法

  • ボディスキャン瞑想(何かを変えようとか反応しようとしないで、体の様々な部位に注意を向けて認知し感覚を味わうこと)
  • 座る瞑想
  • 歩く瞑想
  • 定期的なボディワーク(例 マッサージ、ロルフィングーアメリカの生化学者、アイダ・ロルフによって創始されたボディーワーク)
  • ヨガ
  • 武術

 

ランディの場合、「みぞおちのむかむか」という体の感覚に気づいた時は、彼を誘惑する心の声に従うのをためらった。かわって、それをキーボードから離れる合図として“この作業をする必要が本当にあるか?”と自問するようにした。ナタリーの場合、自分が歯を食いしばっているのに気付いたとき、自分の内面の批判的な声を叫ぶのをとめられるようになった。腹を立てたリアクションから抜け出られるよう、深呼吸をして“ピース(平和)”とマントラを唱えるようにした。

 

3.物事をより明確に見て、より明確に選択する。状況や瞬間を反応的にならずに何かを見たり経験しているとき -例えば、不安、恐れ、怒り、悲しみを経験しているときでも ― より建設的な選択肢が浮かんでくる。この状況をリフレーム(とらえ方を変える)することはできるかな? だれかサポートを頼める人はいるかな? どんなリクエストをここですればいいかな? 自分の尊厳、ビジョンや価値観を守るために、例え難しい選択だったとしても、ここですべき正しいことは何だろう?

ランディの場合、彼は自分自身に厳しすぎないようにし、チームにまかせるべき業務を移すための堅実なプランを作る必要に気づいた。ナタリーは、自分の他者とのやりとりの多くは、専門性に対しての敬意や信頼が周囲からあるにも関わらず、自分の優秀さを証明するために行動していることに気がついた。

 

さて、瞑想アプリを使ってリラックスできなかったクレアだが、それは抑え込んでいた感情が出てしまったため、心をかき回されたような感じを彼女に残していたのだった。クレアによれば、もともとは皮肉なことにもそれらの感情から逃れるために、瞑想アプリを使い始めたのだが。

クレアは以前よりも評価・判断しないで観察するようになってからというもの、その気づきが不快だったにも関わらず、彼女は職場で目をみはる成長をとげているのが自分でわかった。

クレアは、逃げ出す代わりに、以前よりも正直に、自分らしくある方法をよく知ったうえで、様々なより良い選択をするとが可能になった。例えばこんな具合だ。「彼女の組織の中での次のキャリアステップについてそろそろ難しい対話をすべきかしら?」 「次にどこへ進むかについての作戦やビジョンを策定し、はっきりさせる時期なのかしら?」 「彼女は何がやりたくて、また、それに向かっていく勇気はあるのかしら?」

マインドフルネスそのものは、悲観的なことでもなければ、太陽やお花畑といったおめでたいことでもない。マインドフルネスを用いると、悪い気分をやっつけようとしたり、あるいはそこから退散しようとして、あたふたしなくてもよくなるというわけだ。欲望や私たちを一時的に良い気分にしてくれるものに溺れることも少なくなる。かわって、より明確に、晴れた日には青空を見ることができ、また、意味ある喪失を経験した時には、ぽっかりあいた心の穴の大きさを見て感じることができる。それらのより深い人間の営みのどこかで、自分の品位や価値観、倫理、自分らしさの要素といった自分の根源的な欲求や選択とつながり、触れることができる。

アミィ・ジェン・スーは、エグゼクティブコーチングとリーダーシップ開発プログラムを専門とするパラヴィスパートナーズの共同創立者兼執行役員。Mureiel Maiganan Wilkins との共著にOwn the Room : Discover Your Signature Voice to Master Your Leadership Presenceがある。

 

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◆ グーグルで開発されたマインドフルネスプログラム SIY2Day 3月12・13日

昨年1年間、サンフランシスコでのトレーニングと厳重な認定プロセスを経て、弊社代表理事の
荻野もSIY講師となりました。 2016年3月12・13日は木蔵(ぼくら)と荻野とで初めて100%
MiLI・100%日本語でお届けするSIYとなります。
日本のビジネスピープルのために役立つ本格的プログラムとして、思いも新たにお届けいた
します。1月22日までの超早割をお見逃しなく。
詳細・お申し込みはこちら:http://mindful-leadership.jp/siy/

◆ 1月29日マンスリーMiLI
ビジネスピープルのマインドフルネス体験会 ~モチベーション3.0とマインドフルネス~

2016年より、マンスリーMiLIは2016年のマンスリーMiLIでは、ビジネスピープルがマインド
フルネスに出会い、実践する場として生まれ変わります。

またマインドフルネスの最前線を、『モチベーション』、『マネジメント』、『コミュニケーション』、
『導入事例』などの観点からご紹介していきます。

新年の第一弾として、マインドフルネスの体験と、新しい年のマインドセットに向けた『モチベー
ション』をテーマに吉田がファシリテーションいたします。
詳細・お申込みはこちら:http://mindful-leadership.jp/seminar/1209-1634/

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MBCC(Mindfulness Based Coaching Camp)オープニングセミナー

マインドフルネスという普遍的な在り方を、対話・コーチングという実践を通して「社会と会社を
変える行動」につなげていきます。 共に学び、趣旨にご賛同いただけるみなさまと、社会・組織
のさまざまな領域でマインドフルチームを作っていくことを目指します。 MBCCの入り口として、
まず3時間のオープニングセミナーを企画いたしました。

※MiLIではMBCCプログラムの収益の20%を、十分な教育環境を得られないティーン
エイジャー&若年層を対象とした「マインドフルコミュニケーション・プロジェクト」(仮称)の
運営に充てていく予定です。
詳細・お申し込みはこちら:http://mindful-leadership.jp/seminar/0113-1650/