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リーダーシップ

ジェレミー・ハンター博士:マインドフルネスの職場導入にあたって「怪しさ」を取り除くには

2016.04.06

◆マインドフルネスとEQで深く自らを探求する
Googleで生まれた能力開発メソッドSearch Inside Yourself
次回は10月15・16日です。詳細・お申込みはこちら
6月24-26日 デジタルデトックス&マインドフルネスリトリート
Disengage to Engage―豊かな自然の中、自分とのつながりを取り戻す
合宿形式で、マインドフルネスに浸り、そこから浮かぶのは、、、
改革や創造に向けた、内省の場を提供します。
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マインドフルネス実践・勉強会 マンスリーMiLI 
仕事帰りにさくっと立ち寄り、本格的なマインドフルネスの実践と最新の学びをゲット!
4月15日 in東京 
リーダーにとって最も重要な能力:セルフアウェアネス(自己認識力)
5月13日in福岡 グーグルのマインドフルネスメソッド:Search Inside Yourself 概要
マインドフルコーチング(MBCC-Mindfulness-Based Coach Camp)本講座スタート
Yahoo株式会社(ピープルディベロップメント統括本部 人財育成チーム)共同開発

2016年、MiLIではマインドフルネスを基盤としたコミュニケーション、企業と専門家 を
対象とするコーチングプログラム始動します!
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本日のMiLIブログは、ドラッカー経営大学院でマインドフルネスを経営に活用することをリードしているジェレミー・ハンター博士のエネルギッシュなビデオプレゼンテーションの翻訳をしてみました。
2015年11月Mindfulness and Well-Being at Work会議より。

Jeremy Hunter: Overcoming the Skepticism to Mindfulness at Work 元ビデオはこちら

https://www.youtube.com/watch?v=tKzGsSpcVFQ

マインドフルネスって素晴らしい!

チームや組織に広めたい!

と少しでも感じているすべての人にお読みいただきたい、適切なアドバイスです。

  • マインドフルネスは経営のための「見る目」を育む
  • マインドフルネス信者になるな!
  • 今あるカルチャーを尊重し、マインドフルネスが役立つのはどこか見つけ出す
  • 言葉づかい(スピリチュアル、宗教的なものは一切NG)に要注意
  • トラウマの想起など、経験豊かな指導者が扱うべき場合もある
  • まずは自らが粛々と実践

世界中で採用企業とその実績がどんどん増えているマインドフルネス。
だからこそ、最善の形で大切に根付いてほしいとMiLIでは願ってやみません。

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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JeremyHunter_Photo

こんにちは。この中に職場でマインドフルネスのプログラムがある人はどのくらいいますか? マインドフルネスのプログラムがやりたいな、と思っている方は? わかりました、では、今手を挙げてくれた方々に向けて今日は主にお話しします。

 

私は、ドラッカー経営大学院で教師をしています。2003年には、3年かけて “エグゼクティブ・マインド”という名前のプログラムを開発しました。今では、ドラッカースクールで21週間のマインドフルネスプログラムが行われ、さらにそれが航空業界から、会計監査、エンターテイメント業界など多岐にわたる企業へ提供するプログラムとなり、先ほど手を挙げていただいたような、次どうしようかと考えている方に対してその経験をお話ししたいと思います。

 

私がマインドフルネスに取り組み始めたとき自問したのは、「どのように経営の文脈で拒否反応を起こさせずに紹介しようか」ということでした。1999年にこのテーマについて研究を始め、2001年に、既にマネジメントスクールで正式な授業のひとつして取り扱うことに決めまた時、これを自問しました。(マインドフルネスが)今日ほど一般的に言われていなかった時です。

私の働いていた環境は元来保守的なので、対象となる顧客を一人決めました。彼は福音主義のクリスチャンかもしれないし、あるいは無神論者かもしれない、保守的な男性です。彼はエンジニアリングや財務、または会計の教育などを受けていて、果たして、そんな人に怪しい印象を与えないで、ぴったりとハマるような表現ができるものか、と考えました。

ただ、怪しいというだけでなく、マインドフルネス、気づき、または自己の内的な開発というものは、日常の一部であると認められるべきです。実際、私はマインドフルネスの実践や自己管理、自己開発というものは、21世紀の一般教養として認められるべきだと考えています。(拍手) ありがとうございます。

20世紀に我々は、読み、書き、算数を教えてきたわけですが、自分自身をマネージする方法を学ばなければならない、と私は思います。特に非常に混沌とした世界においては。だからこそ、保守的な経営の場において、マインドフルネス・自己管理のDNAを織り込んでいく方策を考える過程をいろいろ踏んできました。

先ほどウィスコンシン州出身のフィリップ氏も質問していましたが、私たちは常に「成果」を気にしています。私が一緒に仕事をしたほとんどの人は、彼らが人生で生み出した成果だけが、人生の全てと思っていますよ。だからこそ、どんな成果を得たかについてきちんと話をしなければ、一般の人々にはまったく関係のない話になってしまいます。私のすることの全てが、結果は何かにかかっており、明日のワークショップでも一部、それについて話そうと思っています。

「いつも成果を得ている」と私たちは思っていますが、それ、どうやって得ているか知っています? その成果を得るための状態はどんなだか知っています? その成果とのあなたの関係はどうでしょう? そういった類の質問を我々はしていきます。

肝心な詳細に入る前に、まず全体像をお話ししたいと思います。今日これまでに話されたことに合わせて内容を大幅に変更してお伝えします。、ぐーっとカメラのレンズを後ろに引いて俯瞰して考えると、そもそも何故マインドフルネスについて語っているのか、とうことです。 私たちは近代西洋文化の中で、「考える文化」の中にいるという側面があると思います。この文化の中で教育といえば主に、「考える」訓練をすることですね。大学では実際にそれを教えているわけです。

ちょっと知りたいんですが、ピーター・ドラッカーをご存じの方はどのくらいいますか? OK、ありがとうございます。ピーター・ドラッカーに詳しくない方に説明すると、彼は「現代経営学」の生みの親と言われている人で、その理由とは彼の主な目的はいかに機能する社会を作るかということだったからです。

スコットが先に述べたように、いや、フォード社のビルがリッチ、マークとの対談で述べたように、経営は社会に貢献するために存在するのであって、社会を壊すものではないという考え方です。この二つは「経営」についてのまったく違うものの見方です。ドラッカーは、この意味深いビジョンを持ち、西洋では人々に「考える」ことばかり教えてきたが、きちんと物事を「見る」ことを教えてこなかったとわかっていました。

だから、この一文を見たときショックでした。『「われ思う、故にわれあり」、同じように、「われ見る、故にわれあり」』と。自分を「見る」ことを鍛えること、加えて「感じる」を鍛えることで自分の感情の管理を訓練しなければならない、というわけです。これって、エモーショナルインテリジェンスが紹介されるずっと前の話でした。、彼の主たるポイントは、人々の「見る」力を鍛えることで、目の前で起こっている変化する世界に効果的に順応ですること。、自分の見たい世界や推測だけで見るのではなくて、実際に起こっていることをそのまま見る、ということです。 これが、私が取り組んでいることの概略です。

あなたが、「考えること」を教えているような環境にマインドフルネスを持ち込もうとするとき、多くの人にとって「見ること」「感じること」を学ぶのは、とても怖くて怪しいことになりうるということです。ある大企業に勤めるエグゼクティブの私の生徒がこう言いました。『あなたが言っていることは、ものすごく怖いことだよ、だって僕らは指標やらKPI、スプレッドシート、数字といった世界で生きているのに、あなたは感情に注意を向けろと言っているんだよ。それは怖い。』と。だから、私たちにとっては当たり前だからといって、ある人々にとってはそうではなく、実際に脅威にもなるということで、そこに留意する必要があります。

ルールその1。マインドフル信者にならないこと。これは家族向けプログラムなのでソフトな表現にとどめますが、新たに信者になった人ほどたちが悪い。だからルールその1は、自分の組織にマインドフルネスを紹介しようとしているのなら、まず始めるべきは自分自身が実践することです。あなたがこの状況に持ち込もうとしている判断の前提になっている仮説や期待は何か? あなたはこの組織を治すことができると信じているか? それは愚かですね。(会場より笑い)自分自身の動機を知っておくことです。私の動機は、人々が自分自身について、違った見方を体験し、結果を変容させるような状況を作り出ことです。それは次につながっていきます。

自分を人類学者だと思うのは役に立つフレームワークだと思います。人類学者のように探検帽をかぶって、マインドフルネスを紹介しようとしている組織のカルチャーを調査するわけです。それって、こちらから「伝える」ことを最小限にして、もっともっと「質問する」、「聴く」ということです。私がもしクライアントと仕事をするなら、彼らのカルチャーについての話をずっと聞きますよ。あなたのストーリーを教えて、大切にしている価値観を教えて、何が重要かを教えて、ってね。すべてのカルチャーは何かしらのマインドフルネスに共通する、またはベースとなる価値観があります。私の提案は、そのカルチャーの中でマインドフルネスをどこに入れ込めるのかを見つけ出すことです。

先日ワシントンでパネルディスカッションがあったのですが、パネリストの一人の裁判官の女性が、「裁判官の行動規範を注意深く読んだら、マインドフルネスマニュアルそのものですよ」と言っていました。工場のラインで働く人なら、組合から「シフトに入る前に安全点検をするように」と要求されます。それが、マインドフルネスを導入する始めの接点でしょう。クラス形式で教えなくても安全点検が「マインドフルネスを実践する瞬間なのです。病院で働いているとしたら、もうやっている方には当たり前のことなのでしょうけれども、手術前の準備や看護師がシフト勤務を始める前とか、それらがマインドフルネス実践の瞬間です。

つまり、自分ができる分野でマインドフルネスを使うこと、それにどうしたら既にある、または、ベースがあるカルチャーと思いやりを持ってマインドフルネスを融合させられるかを、注意深く見つけ出すことです。

たくさん質問をして、彼らが何に関心があるのか耳を傾ける、それを基盤にするのです。また、よく私が話すのは、相手の業界の言語に敬意を払うことです。これもひとつの「手放す」ことに通ずるのですが、あなたが、自分のやり方やフレームワークを手放して相手の世界の中に入っていくということです。相手が重要と感じる言葉や言語を理解するということです。私は個人的に、セラピー用語を使わないようにしています。セラピー中に使うのはよくとも、ハイパフォーマンスのビジネス文化で、壊れた状態を前提とすることは、まったく役立ちません。

スピリチュアルだったり、ニューエイジに関する用語も同様です。だから、私は自分へのルールとして、サンスクリット語や、神聖な言葉は、公には使わないと決めています。滑り込ませるのは簡単なでのすが、自然な英語の単語を探します。相手が心地よいと思う脈絡で話していないかも?と、まずは気づくことがとっても重要だと思います。宗教的な用語も同様です。多様な環境の中で、誰もが気に障らない言葉を選ぶのはとてもチャレンジですが、これを怠ると相当成功の確率が下がることになります。先ほどちょうどブレイクの間に去年一緒に仕事をしたある女性と話していたのですが、彼女が『私、テキサスで働いているの。それ以上説明いる?』と。(会場より笑い) だから、マインドフルネスの旗をひろげるなんて考えないのが得策です。まあ、一般的にですが、効果的ではありません。それよりも静かな聞き役にまわって、どこであなたの役割が担えるのか見つける法がずっと良いと思います。

また、私の母は日本人で、妻も日本人で、、、ということは私の猫も日本人ということになります。(会場より笑い)私の曽祖父は相撲力士で、家族の伝統を継がないように努力しているところです。私は1970年代のオハイオの田舎で育ちました。その町の、おそらく5万マイルの範囲で2組しかいない人種が入り混じった家族の1組でした。ダイバーシティといえば、アイルランド人のことだし、エスニック料理といえばイタリアン、そんな感じです。だから友人は『お前のこと、WASって呼ぶことにしたよ。Weird Asian Stuff(変なアジアのやつ)だよ。だって、お前んち2本の棒でご飯食べるし、家で靴ぬぐんだろ?“という具合でした。

皆さん気を悪くされないでくださいね。言葉について続けて言うと、この経験を思い返してみると、先ほど言っていた「相手の言語で話す」重要さを思うわけです。相手の考えや立ち位置を想像して細心の注意を払うことも、ひとつの実践ですね。ピーターが言っていたと思いますが、あなたが好きなことは必ずしも他の人が好きなことではないのです。あらゆる場で「使う言語に気を付ける」というのは、愛をもって接するというひとつの実践にもなりますね。

変なアジアのやつの話で思い出しましたが、マインドフルは「エキゾチックなアジアのもの」と多くの人が思っていますね。だけど違います。実際のところアダム・スミスだって「公平な観察者」であれば、人としてのモラルを鍛えられる、と言っています。つまりマインドフルネスは、アジア固有のものではなくて、人類共通の事柄で、ちょうど合理的に考える能力を養うのと同様、物事をクリアにみる知覚や、思いやりとやさしさの感情の能力を養うということに他なりません。

先程出てきた話ですが、企業でプログラムを実施するたびに、すべての参加者にインタビューするんです。彼らが何に申し込みしたか理解してもらえますし、彼らの期待も聞くことができますから。その中でトラウマ(精神的外傷)があるかどうかも聞きます。今日はこれについて話は出てませんでしたが、未消化のトラウマを持った方が、未熟な指導者による瞑想を行った場合、大きな問題になって、トラウマが意識化された状態やトラウマに囚われた状態になってしまいかねません。これはみなさんも知っておいた方が良いと思います。

 

ご参考までに、エレイン・ミラー・カラスさんのBuilding Resilience to Trauma(トラウマとレジリエンス)という本がアマゾンで買えますが、役立つフレームワークですので、みなさんにも役立つと思います。

 

もうひとつ、ご紹介したいのは、ジュリア・アダムスによるマインドフルネス導入のビジネスケースです(投資対効果の情報)。“mindful.net, Julia Adams”でググってみると、2つのPDF資料で、ビジネスケースとケーススタディなどの豊富な情報が入手できます。先ほど質問した方がいたので、お答えしておきますね。

また、「Mindfulness Organization(マインドフルネスな組織)」という本が出版されたのでご紹介しておきます。第15章を除くすべての章が素晴らしいです。ちなみに15章は私が書きました。最後に、マインドフルネスをあなたの組織に導入しようとしているなら、最初にやるべき、またベストな方法は繰り返しになりますが、まずフリーサンプルとして体験の味見をしてもらうことをお勧めします。データは色々あっても、実際に集中力や気づきを養うという体験は、よりパワフルだからです。

ここで時間のようです。今日はありがとうございました。