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コンパッション

世界最大のマインドフルネス関連カンファレンスWisdom2.0を振り返って-その1

2018.03.03

 Wisdom2.0カンファレンスについて

今年2018年もサンフランシスコに世界30か国から3000人を超える参加者を集めた、世界最大のマインドフルネス関連カンファレンス。

 2010年より、創立者ソレン・ゴードハマーのビジョンに、テクノロジー、教育、社会活動などの思想的リーダーが賛同し始まった。
 今回サンフランシスコでは9回目。MiLIとしては5回目の参加。MiLI理事木蔵(ぼくら)は過去にファシリテーター、マーケティングディレクターとしても参加。(ちょっと宣伝。笑)
 実践やコミュニティづくりを重視した会場づくり――マインドフルネス、コンパッションに関する学びのテーマパークのような場づくり。

・メイン会場 世界からエキスパートが登壇しショートセッション(20分くらい)のトークや対談を行う

・分科会会場 より小規模でQ&Aなど、登壇者とより間近に学べる

・Village テーブル、椅子、飲み物が用意され、参加者がリラックスして語り合える

・Practice Lounge 時間帯ごとにヨガや瞑想ができる

 登壇者の豪華さとキュレーションの妙味ーー世界的な先達:ジョン・カバット・ジン、ジョアン・ハリファックス(4月AWAREワークショップで来日)、シャロン・サルツバーグ、ジャック・コーンフィールド、チャディー・メン・タンなどなど)が一堂に会するのはここだけ。それに加え、「ウィズダム=叡智」を現代的に表現する話題のエキスパート(「かたづけの魔法」の近藤麻理恵、過去にはトップユーチューバーのライアン・ヒガ、フォード自動車会長ウィリアム・フォード、LinkedIn伝説のCEOジェフ・ウェイナー、哲学者のエッカート・トーレなど)が登壇。

今年際立ったテーマーー明文化されていなかったが、登壇者から繰り返し取り上げられ、かつ参加者の心に残ったキーワード・概念として

 女性リーダーの活躍
 コミュニティ(安心・安全なつながり)
 コンパッション(叡智ある思いやり)
が観察された。
分断した政治や世論、性的ハラスメントを表面化させ撲滅させる流れ、身近でも世界規模でも切実になっているコンパッション、という今年の参加者にとっても関心が高く、深刻な問題となっているテーマだ。

それでは、これらのキーワードがWisdom2.0でどう表現されていたかを報告する。

【女性リーダーの活躍】
一番の注目はなんとこんまりさん!そして#MeTooのタラナ・バークさんも!

2月初旬、サンタクルーズでWisdom2.0創立者のソレンさんご夫妻、SIY会長のチャディー・メン・タンさんご夫妻ら、Wisdom2.0の中心的メンバーと集ったとき、「今年は誰に注目してますか?」と聞いたところ、「マリ・コンドーとタラナ・バーク」とのこと。

近藤麻理恵さんの「かたづけの魔法」は、アメリカでも大人気で、アメリカでは彼女のTV番組も制作中だ。
「自分の価値観や、心のときめきなど、形にしたり言語化したりしにくいものをしっかりと吟味し、身の回りの物を通して表現すること。私がやっているのはそういうことです。」
と通訳を介しながら、的確な言葉で無駄なく答えるこんまりさん。
かたづけという日常的な行為を、丁寧に向き合い自分とつながる特別な経験にリフレームする。多くの西洋の参加者にとってこれは新鮮な考え方で、東洋的叡智に重ね合わせ、尊敬の念でうなずいている。

私たちMiLIでも、「今ここに注意を置き続ける」マインドフルなあり方は、瞑想の時間を超えて、どこでもいつでも、とお勧めしている。
自己認識のなかでも「なにが自分にときめきを与えてくれるか」この気づきを、堅苦しくなく日常的に実践する彼女のアプローチは、グローバルな魅力を持っていることに改めて感心する。

タラナ・バークさん――社会の病・性的暴力をSNSで覆すリーダーの想い

(筆者と)     (満場のスタンディングオベーションを受けるタラナさん)

そして、日本ではまだあまり知られていない#MeToo というハッシュタグをご存知だろうか?これはSNSで、#MeTooと表記することで男女問わず「私も性的被害をかつて受けた」とカミングアウトすることだ。
被害者側が人知れず苦しむままであった現代の病を、堂々と世に公表し、性被害の孤独な苦しみに終止符を打つ、という世界的ムーブメントにまでなった
その#MeTooを始めた社会活動家、2017年TIME誌の「Person of the Year」の一人ともなったタラナ・バークご本人がWisdom2.0で語ってくれた。

タラナさんが2006年から粛々と続けていた活動は、昨年10月一気にSNSで広まった。
その結果、映画プロデューサー、オリンピック女子体操の主治医、ハリウッド俳優、ニュースキャスターなどが、次々と加害者として社会的に失墜あるいは逮捕されるなど、やっと正義の光の下に照らされることとなった。
「泣き寝入りとなるから大丈夫」という卑怯な打算は、もうできない時代を創ったのが、この#MeTooムーブメントだ。
草の根で活動していたところから、一気に時代の人となったタラナさんだが、一番の不安は無名になることでも失敗することでもなく、「与えられた責任に対して真摯に取り組まないでいること」だという
「どんなに時間がたっても、この傷はなくなることはない。だからこそ、これ以上被害者に泣き寝入りはさせず、加害者に罪を償わせ公正な社会を創る。毎日毎日、同じ苦しみを持つ数限りない人と自分のために(彼女自身レイプ被害者である)、この重大な問題に立ち向かう。そして自分の意図が純粋であることを毎日問う。」と。
この話をしてくれた時、それまで自信とユーモアに満ちていたタラナさんが、声を詰まらせそこに居た2000人の前で思わず涙した。その姿に、会場全体が共感とコンパッションで包まれ、2000人が心の手を彼女に差し伸べたかのような一体感に包まれた。

リーダーはVulnerable(弱さを隠さず見せること)であっていい。
いや、重大なミッションに向かうからこそ、むしろ正直にVulnerableであるほうがいい。
そして、結果に執着するのではなく、日々自分の意図と姿勢を問い続ける。
きれいごとではない、リアルなタラナさんの苦悩しながらも前進する姿。もう、3日分のWisdom(叡智)をいただいたのではないかと思うほどの、豊かなセッションだった。

その2に続く。

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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