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コンパッション

世界最大のマインドフルネス関連カンファレンスWisdom2.0を振り返って-その2

2018.03.03

その1ではWisdom2.0の特徴と、今年の3つのキーワードの一つ「女性リーダーの活躍」について、近藤麻理恵さんとタラナ・バークさんの講話とその反響についてお話した。

その2では、続いてのキーワード、「コンパッション」と「コミュニティ」について皆様にシェアしたい。

 

コンパッション(叡智ある思いやり)の旗手 ジョアン・ハリファックス博士

ほぼ毎回Wisdom2.0に呼ばれて、大きな人気を博しているのがジョアン・ハリファックス博士だ。分科会では立ち見が相次ぎ、ハリファックス博士は「立っている皆さん、こちらにスペースがあるから、檀上で一緒に座りましょう」とステージも参加者であふれかえるほど。

かく言う私も、2015年のWisdom2.0で博士のコンパッションと倫理についての講話に感銘を受け、以来機会あるごとに学ばせていただいている、出来の悪い弟子の一人だ。

綺羅星のごときWisdom2.0のスピーカーの中でも、なぜ彼女はこれほどの評判を得ているのか?

伝えているメッセージ、ご本人のあり方、目指している世界観のための現実的行動(これが一番難しい!!)――これらが一致しているから、「この人から学びたい」と心惹かれる。

ニューメキシコ州の広大な山林を破壊から救い、多くの死にゆく人とその介助者をサポートし、ネパールの奥地に歩いて医療キャラバンを引き連れていく。そんな彼女を師と仰ぐ中には、リチャード・デビッドソン博士(世界的神経学者)を始めとした名だたる学者、大企業のCEO、紛争地域の平和交渉の専門家、医療従事者などまさに、「リーダーのリーダー」と言える。

そのハリファックス博士が、コンパッションで重要なことは「自分の意図と姿勢がどうなっているか、マインドフルに意識し続けること」という。これは、前述のタラナ・バークさんの言った、「与えられた責任に対して、毎日真摯に向き合うこと」とも重なる。

「分断と格差による不幸な世界情勢から人類が生き延び、繁栄するには、様々な命ある存在、そして多種多様な人々が一つの大きなコミュニティになること。そのためにコンパッションという私たちに生まれつきの心の特性を目覚めさせることが必須です。」という博士の言葉に、大きな拍手が起こる。

「コンパッションは、相手の感情に共鳴するあまり飲み込まれるのでも、心を痛めて疲弊させるものでもありません。真のコンパッションは、苦しみを変容させ、レジリエンスとつながりを生みます。忍耐を持って、『こうあるべき』という執着を手放していくものです。」

どんな小さなステップでも、世界をより良くしたい、と感じている多くの人に、彼女のメッセージは大きな共感を呼び続ける。

コンパッションとは、もともと私たちに備わった心の特性であり、それは訓練できる――コンパッションの開発は、私たちにとって追い続ける価値のある命題であり、ハリファックス博士は、その稀代のロールモデルと言えるだろう。

 

ジャック・コーンフィールド博士・トルーディ・グッドマン博士 デジタル時代のコンパッションとは

コーンフィールド博士はタイであのアーチャン・チャー師に学び仏教の僧になった心理学博士で、アメリカにマインドフルネスの種を植えたパイオニアの一人だ。また、西海岸で人気の瞑想リトリートSpirit Rockの創設者のひとりでもある。

現在私は、コーンフィールド博士の主催する2年間の瞑想講師養成プログラムに参加しており、ハリファックス博士に師事させていただいているのと同じく、不肖の弟子として学ばせていただいている。

奥様のグッドマン博士と共に今回語ってくださったのが、やはり「コンパッション」。そして、デジタル時代に私たちの意識がいかに影響されるかだ。

  • デジタル機器によって、情報依存となると同時に、心を静寂の状態にしてマインドフルに自己認識をすることが難しくなっている。
  • 検索エンジンやSNSのフィルターによって、自分の傾向に合わせて、どんどん偏った情報だけを見ることになるが、それに気づかず、非常に偏った世界観を持つことになる→他者の世界観と分断が広がり、コンパッションを育むことがより難しくなる。

そのような危惧の中、いかにコンパッションを培うことができるか?

「コンパッションの言語を学ぶことです。なんにしても、人が学ぶには安全なコミュニティが必要です。」

偏った情報の中で生きる私たちが、世界の実像・全体像を見るためには、お互いの視点を必要とするのです。そのためには、心を静め混じりけのないマインドフルネスを持って、お互いを聴きます。」

マインドフルリスニングは、コミュニティ創りの第一歩となる――MiLIでお伝えしていることが、さらに説得力を持ってお二人から述べられる。

別の部分で新鮮だったことは、お坊さんであるコーンフィールド博士が、ためらいなく「マインドフルネス」という言葉を使い、それを推進していることだ。人々に進化と繁栄をもたらすWisdom(叡智)は、宗教の枠を超える。そして、彼の叡智とコンパッションの深さは、日本のマインドフルネスの流れにも大いに必要とされるところだ。師事する弟子のひとりとして、マインドフルネスの深さを培いお届けできる日を夢見続ける。

 

ジョン・カバット・ジン博士による「マインドフルネスを教えるということ」

分科会の小会場で行われたこのセッションは超満員で、椅子席はいっぱいで床に座ることさえもできない人に対して、「ステージに来て一緒に座りなさい」とハリファックス老師と同じく、フランクに皆を招き入れるカバット・ジン博士。

Wisdom2.0には毎回登壇される「科学的マインドフルネスの父」は、いまだに自ら(登壇するとき以外は)参加者として3日間最初から最後まで見届ける。参加者として席に座り、真剣に学ぶ姿はまさに「初心」を体現して、感動的ですらある。

そのカバット・ジン博士が30年以上マインドフルネスを伝え、科学的検証を行ってきた経験を踏まえて、「マインドフルネスの講師になるということは?」――これは聞き逃すことはできない。

そして、言われたことは、

「マインドフルネスティーチャーとは、この世で一番困難な仕事だ。」

そして私は、「ああ、やっぱりそうだったんだ。」と大きく安堵したのだった。

この反応はおかしい、と思われるかもしれない。しかし、マインドフルネスの実践者から、思わぬことから縁あってお伝えする立場になってから、私はその絶対的な難しさそして自分の不甲斐なさを感じてきた。

このセッションについては、文章でなく直接お伝えしたいと思い、3月16日マンスリーMiLIで取り扱っていく。

 

(ぼくらしゃふぇきみこ)

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◆3月16日19-21時 東京マンスリーMiLI
「マインドフルネスの意義・歴史・そして信頼性あるマインドフルネス・ベースと・プログラム(MBP)を紐解く」

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◆4月21・22日 NEW! AWAREワークショップ
マインドフルネスとコンパッションの変革リーダーシップ
ハリファックス博士、藤田一照氏、中野民夫氏、藤野正寛氏ら各分野を代表する講師陣を迎えて、遂に本格的コンパッションプログラム始動します!

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◆4月27-29日 NEW!マインドフルランニングリトリート
トレイルランニング、メディテーション、ワークショップを組み合わせ、富士山周辺の豊かな環境で実施

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