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ハウツー(マインドフルネス)
他者に対するマインドフルネス
2016.06.13
問いかけて傾聴する。他者の視点や知見を収集しつづける探求心と熟考の習慣。
長年のマインドフルネス研究で知られるエレン・ランガー教授(ハーバード大学心理学部)は、それを「他者に対するマインドフルネス」と呼んでいます。
実践をせずに、ただ瞑想をマインドフルネスの象徴的な“行い”として理解しようとすると、内へ内へと入っていく自己探求的なイメージだけが強くなるかもしれません。しかし実践していけば、気づきの対象は内側にも外側にもあることがわかります。やがて内と外というとらえ方の転換も起きてくるのですが、それはややこしいのでべつの機会に。
自分の身体や感情、湧いてくる思考についての注意深さは、共に働き、共に生きていく大切な人々に対する注意深さを高めます。
先にご紹介したエレン・ランガー教授が、「企業のマネージャーは、いかにマインドフルネスを活かすか」ということについて次のように語っています。
誰かが担当作業の締め切りに遅れたり、指示したとおりに仕事をしなかったりしたら、「これは悲劇か、それとも単なる面倒か」と自問してみましょう。たいていは後者でしょう。私たちが腹を立てることの大半は、後者に当てはまります。(ハーバードビジネスレビュー2014年9月号より一部引用)
悲劇とは、文字どおり頭のなかでつくりだされるストーリーですよね。
この原稿を書いている私も、ついさきほど、危うく小さな小さな悲劇の主人公に自分をでっち上げてしまうところでした。
午前中に武蔵小杉の事務所で仕事をして、午後からのアポイントで外出しようとしていた矢先に、私の仕事部屋の蛍光灯が突然死してしまったのです。ちょうど事務所のあるマンションが大規模修繕工事の真っ最中で、ビルの壁面全体がネットで覆われていて、昼間でも入ってくる光がかぎられています(おまけにきょうは久しぶりの大雨!)
夜まで出先でうちあわせや会議がつづくので、妻に電車のなかからLINEで事情を伝え(自宅から近いので)、LEDへの交換を依頼。すぐに返事はきたものの、仕事を終えて東横線で自由が丘にさしかかっても、まだなんの音沙汰もありません。そして案の定、私のほうが先に事務所にもどったのです。(それなら自分で買ってきたのに・・・!!)
隣の部屋の明りに頼って仕事かよ、なんで昼前に連絡しているのにまだなんだ、給料払ってるのに仕事の意識薄いよなあ、事情があるなら連絡くらいしてくれよ、こっちは今日中に送らなければならない重要なメールと原稿があるのに・・・・・・。
こういう評価や判断が積み重なっていくと、知らないうちにイライラが怒りに変わり、怒りが怒り自体を納得させるための物語をつくりはじめます。
ま、どうせなんか予定があったのだろう。こっちも夜に戻るとアバウトに書いたからなあ。これまでの(ずいぶん長生きした)蛍光灯をLEDにしてくれと頼んだから、探しているのかも。
そんなふうに少しだけ相手のことを想像し、LINE電話で連絡してみました。残念ながら返事はなく・・・ふたたび悲劇の衝動が襲ってくる気配を感じつつ、いや電話した記録をみて連絡してくることがよくあるから、そのうち折り返してくるかも・・・と、気を取り直して隣の部屋の明りとデスクライトだけで仕事。
諸々の優先順位を考えながら、メール返信をしはじめたところでドアを開ける音が聞こえました。
自分がどんな気持ちでいるのか、どんなふるまいに出ようとしているのか。その先になにが待ち受けていそうか。
ちょっとした自己探索をする習慣をつけていくと、どうもあるタイミングで他者の探索に対する丁寧さも増してくるようです。
Search Inside Yourself セミナーのなかでもご紹介している、ヴィクトール・フランクルの偉大な言葉。
刺激と反応の間には隙間がある。この隙間に、反応を選ぶ私たちの自由と力がある。
私たちの反応のなかには、成長と幸せがある。
ユダヤ人強制収容所での経験を綴った名著『夜と霧」などで知られる偉大な精神科医は、
まさに自分の内なるマインドフルネスと、他者に対するマインドフルネスを生き抜いた人。
それは私などには耐えがたい経験ではあるのですが、
マインドフルネスを他者と豊かに関わっていく日常の営みとして実践することはできる。
そう信じて、このブログを書き終えたら家に帰り、いつもどおり娘と喜劇を繰り広げるつもりです。
(てんせい)
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