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「発問力」が学びを変え、行動を変える
2019.01.12
先生に教えられている限り、私たちは何も学んでいない。
先生の質問に答える授業から、自らの問いを見つけ出す授業へ。
MiLIのMBCC(マインドフルネス・ベースド・コーチ・キャンプ)運営メンバーが、大学の教育現場で挑んだ実験的授業の報告です。
(MBCC受講生のメルマガより一部抜粋)
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世界経済フォーラムが2016年に発表した働く人に求められるスキル。
2015年と2020年を比較すると、1位を除いて大きく順位が入れ替わり、「批判的思考力」や「創造力」「感情的知性」「認識の柔軟性」といったAIにはない、人間らしい特性が重要視されるようになりました。
2020年のベスト3は、「複雑な課題解決力」「批判的思考力」「創造力」。
そして、これらの基盤となるのは「問いを立てる力」です。
「問いを立てる力」は、これからの私たち自身に、そして次世代を担う若者達にも求められる力となります。
残念ながら現状では、受身的な暗記型教育の洗礼を受けてきた私たちの「問いを立てる力」は、個人差はあるものの決して高いとはいえません。
MBCCから生まれた企業の組織開発プログラム、『「問う力」のあるチームを創る MBQC(Mindfulness Based Questioner Camp)』。
このプログラムは、The Right Question Institute のダン・ロススタインとルース・サンタナが教育現場で開発してきた「質問づくり」のプログラム=QFT(Question Formulation Technique)をベースに作られています。
私たちは2018年10月のMBCCグループコーチ研修合宿で、このプログラムを体験しました。
一定の手順に従ってプログラムを進めていくと、どんどん質問する力が開発されていく、まさに目からウロコのプログラムでした。
私はこの方法を、非常勤講師として勤務する大学の少人数クラスで実践してみました。
ふだんの彼らは、授業中に質問することはなく、こちらが質問をしてもそこにあるのは不自然な静寂のみです。
私は、授業中に質問をしないという選択は、彼らがそれまでの学校教育の中で身に着けて生きたサバイバル術のひとつだと思っています。
質問すれば、クラスのなかで目立ち、いじめられるかもしれません。
質問すれば、長時間労働で疲れ果てている先生の負担になり、嫌がられるかもしれません。
だから授業中に疑問を感じても、それ以上、考えないくせがついている。
おまけに、SNSでのコミュニケーションやゲームに自由と時間を奪われる。
これまで一方的な講義形式が多かった大学でも、双方向的授業や学生たちが学びの主体となるアクティブラーニングの導入が奨励されていますが、教員のファシリテーション力、学生間での対等なコミュニケーションの確立などが教育効果を大きく左右し、課題は山積。
さて授業では、「明治日本の産業革命遺産の価値」あるいは、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の価値」のどちらかについて発表するための、以下のような手順の一環としてQFTを活用しました。
<手順>
1)どちらかのテーマを選択し、各自で問いを立てて書き出す。
↓
2)グループで自分が立てた問いをシェアする。
↓
3)手順に従って問いの優先順位を決める。(QFT、そしてMBQCの肝です。)
↓
4)ひとり一問ずつの問いを引き受けて調べる。
↓
5)グループでまとめて発表する。
長崎の世界遺明治日本の産業革命遺産チームからだされた質問
日本の産業革命とは
どういったものがあるか
どこにあるのか
遺産の歴史はどういったものか
昔何につかわれていったものなのか
現在どう活かされているのか
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産チームの質問
何故潜伏する必要があったのか
何故その土地を潜伏先として選んだのか
キリシタンがそれぞれの土地でどのように潜伏していたのか
どうして山が潜伏遺産として多いのか
どのくらい昔と比べて老朽化したのか
稚拙な質問も多いのですが、ふだんの彼らを知っているだけにちょっと感動した授業となりました。
時間とやり方が分かれば、問いは立てられる。
問いを立てる力は、教育によって高められる。
私もまた彼らから教えられ、パワーをもらいました。
発表はこれからですが、どんな内容でまとめてくれるのか楽しみです。
(MBCCコミュニイティオーガナイザー 入江詩子/いりえともこ)
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2019年3月30日(土)
MBCCスペシャルプログラム「QFTワークショップ」 お申込み受付中!
米国の教育現場で20年間検証され、 トップビジネススクールも注目する“自ら問う力を磨く学び”
QFT(Question Formulation Technique)
講師:ルース・サンタナ(ライトクエスチョン・ インスティテュート共同代表)
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