リーダーシップ
長時間労働で成功してきたリーダーのメンタリティ
2014.08.01
「カラダを鍛えなきゃだめだよ。君もやるか?」
スーツを着たまま、社長室の隣にあるトレーニング器具を使い、
「すき家」チェーンを率いるゼンショーの小川賢太郎社長は、
やおらトレーニングを始めた
外部の有識者でつくる第三者委員会から
「過重労働問題」に関する報告を受けたニュースを読み、
そのときの古い記憶がよみがえった。
私(吉田典生)が、ビジネス誌の記者としてトップインタビューを手がけていた時のこと。
トップをはじめとする創業期のメンバーが、
人生それ以外の時間が想像できないほど働き、「成功」する。
そんなケースは、ご承知のとおり、ゼンショーにかぎった話ではない。
働けば働くほど売れる。
それが利益につながり、成功体験として動機づけられる。
だから、ますます働く。そしてメンタリティが形成されていく。
しかし、どんなビジネスにも潮目がある。
売れると思えば競合が同じ手で追随する。
そこで店を増やし、規模拡大によって対抗する。
すると再び売上げが伸びるので、また出店を拡げる。
ところが、出せば売れるとわかれば、また競合が同じことをする。
そこで次は、新しいメニューや新業態によって売上げを伸ばす。
メニューで伸びれば、また次々とメニューを開発する。
それを見た競合は、やはり同じ手で追撃する。
これについて、簡単なシステム図を描いてみた。(図をクリックすると大きくなります)
おそらく、こうしたリーダーたちのメンタリティは、
情熱が燃え盛っていた創業期に形成され、
それがアップデートされないまま、複雑で多様な時代に持ち込まれている。
システムの拡張循環は終わっているのに、幻影の中では続いているのだ。
フォロワーたちは、こうしたリーダーたちが変わることなど、とても想像できない。
だから追随し、適応しようと努め、ある者は心をオフにした戦闘ロボットと化し、
ある者は去り、ある者は戦闘ロボットにもなれず去ることもできないまま、
壊れていく。
組織は社会の中で構成された有機体だ。
変化に抗い、豪腕を通すだけでは、やがて大きな皺寄せがくる。
リーダーに求められる唯一無二のもっとも重要な資質。
それが自分自身への気づき=セルフアウェアネスであることは、
ここから自明となる。
小川社長に取材した当時の私は着想することができなかったが、
今はこう思う。
トレーニングルームの隣に、メディテーションルームもつくればよかったのにと。
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今こそ、新しいリーダーシップを考え、誰もが、その当事者になるとき。
8月のマンスリーMiLIは、
ゲストに小杉俊哉氏をお迎えしての
『リーダーシップ3.0』です。
乞うご期待!
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